県外で高確率で誤解される言葉「めげる」とは?
広島県民にとって当たり前の言葉でも、県外に出た瞬間に全く通じなくなることがあります。その代表格とも言えるのが「めげる」です。
広島県民なら、
「スマホがめげたんよ」
「エアコンがめげとる」
「昨日から洗濯機がめげたままじゃ」
こんな会話を普通にします。
ところが県外の人に言うと、なぜか心配されます。
「えっ…そんなに落ち込んどるん?」
「大丈夫?」
「元気出して!」
いやいや、違うんです。
落ち込んでいるのは私ではなく、洗濯機なんです。
実は広島弁の「めげる」は、「壊れる」「故障する」という意味。これが全国的な意味と大きく違うため、面白い勘違いが生まれるのです。
全国の「めげる」と広島の「めげる」は別人レベル
全国的に「めげる」と言えば、
「失敗してめげた」
「何度断られてもめげない」
「心がめげる」
つまり「くじける」「気持ちが折れる」という意味です。
ところが広島では、
「テレビがめげた」
「車がめげた」
「炊飯器がめげた」
と、機械ばかりがめげています。
心ではなく物がめげる。
広島県民からすると普通ですが、県外の人からするとかなり不思議です。
もし東京で、
「スマホがめげたけぇ連絡できんかった」
と言ったら、
「スマホも精神的に追い込まれとるんじゃね…」
と思われるかもしれません。
広島県民は「壊れた」をあまり言わない説
広島県民は何か故障すると、かなりの確率で「めげた」を使います。
例えば…
冷蔵庫が動かない。→「冷蔵庫がめげた」
テレビが映らない。→「テレビがめげた」
車が故障した。→「車がめげた」
リモコンが効かない。→「リモコンがめげとる」
何でもめげます。
まるで広島には「壊れる」という言葉が存在しないかのようです。
もちろん実際には「壊れた」も使いますが、日常会話では「めげた」のほうがしっくりくる人も少なくありません。
そのため県外へ出て初めて、
「あれ?めげるって全国共通語じゃなかったん?」
と気付く人も多いのです。
県外で使うと高確率で誤解される
広島県民が上京して最初に経験する方言ショックの一つがこれです。
例えば会社で、
「パソコンがめげたんで資料出せません」
と言ったとします。
すると相手は、
「パソコンのせいで精神的に参ったんですね」
と受け取る可能性があります。
また、
「昨日車がめげて大変じゃった」
と言うと、
「車に何か辛いことでもあったんですか?」
みたいな空気になることも。
車は落ち込んでいません。
故障しただけです。
広島県民と県外人の会話では、こんなすれ違いが意外と頻繁に起こります。
実は人にも使える?
広島弁の「めげる」は基本的に物に対して使われます。
しかし冗談で、
「わしもそろそろめげそうじゃ」
と言う人もいます。
すると広島県民は、
「どこが壊れたん?」
「腰か?」
「膝か?」
と、なぜか機械扱いになります。
全国では精神状態の話なのに、広島では耐久年数の話になりがちです。
人間まで家電扱いされるあたりに、「めげる」の奥深さがあります。
「めげる」は広島らしさが詰まった言葉
方言の面白さは、同じ言葉でも地域によって意味が変わることです。
広島の「めげる」はまさにその代表例。
広島県民にとっては、
「スマホがめげた」
「テレビがめげた」
「洗濯機がめげた」
はごく普通の日常会話です。
しかし県外の人が聞くと、
「そんなに落ち込まんでも…」
と励ましたくなる。
この絶妙なすれ違いこそが、「めげる」の面白さなのです。
もし広島で「めげた」という言葉を聞いたら、まずは心配する前に周りを見渡してみてください。
落ち込んでいる人ではなく、故障した家電が近くにあるかもしれません。広島では、今日もどこかでテレビや洗濯機やリモコンが元気に(?)めげています。
まとめ:広島弁「めげる」は落ち込むことじゃない!
全国で「めげる」と言えば、「心が折れる」「くじける」という意味を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし広島では話が違います。
広島県民が「テレビがめげた」「スマホがめげた」「洗濯機がめげた」と言ったら、それは落ち込んでいるのではなく、壊れた・故障したという意味です。
そのため県外で「車がめげたんよ」と話すと、「そんなにショックだったの?」と心配されることも。広島県民からすると、「いや、車そのものが壊れたんじゃけぇ!」とツッコミたくなる場面です。
広島では家電も車もリモコンも、とにかく何でも「めげる」。まるで機械たちに感情があるようにも聞こえますが、実際はごく普通の日常会話です。
方言の面白いところは、同じ言葉でも地域によって意味がまったく違うこと。「めげる」はその代表選手と言えるでしょう。



